北上市口内自治協議会
現状と課題・地域・産業の振興 等
市の東部に位置し、北上川を渡り「多岐峠」を超えると口内です。町の周囲は山に囲まれ、中心部はかつて「口内傘」「口内下駄」「鍛冶屋」などで栄えた町並みがあり、その東側を口内川が南流し、国道107号線が東西、456号線が南北に走り、東西南北に通じる交通の要衝となっております。
昭和28年に3,787人(福岡村政要覧)あった人口は、平成27年には1,570人(H.27国政調査)まで激減しております。近年は、少子高齢化が進み当町においても顕著であります。
平成4年7月、町の中心部は農業集落排水事業により下水道が整備され、上水道も町内全域にゆきわたりました。一方、幹線道路は町境峠で冬期間におけるスリップ等の対策として、国道107号江刺境にトンネルを平成31年開通を目指し工事中ですが、他の主要地域を結ぶ道路や地域内の生活関連道路の整備も思いどおり進んでおりません。
また、若い世代が定住できるように生活様式の改善や昔ながらの水生生物が棲むような河川等を清流化するには合併処理浄化槽の整備も必要です。交流人口を増やし、新しい人口の受入体制、空家の有効活用等その整備が急務と考えます。
昔から、「口内の田圃はぬかり田で作業しにくい」と言われておりますが、重粘土質であることが“非常においしい米”“餅らしい餅”の要因となっております。しかし、農地が散在し湿田であるということは農作業に負担がかかっており、大型機械の導入に伴う大規模農場整備等が急務(課題)になっています。
一方、地元農林産物を使った6次産業化を図り、農産物加工施設等、農業の新たな魅力や夢を持てる施設が必要です。
今後はこのような「町民のための施設」の建設を考えていかなければなりません。また、口内の伝統産業であった「口内傘」「口内下駄」等の伝承や復活にも努めなければなりません。
口内には、浮牛城、町民のシンボル愛宕山、明神岳、万蔵寺にあった国指定の木像等名所、名跡、名木、名水などが数多くあります。また、川、溜め池、美しい星空、山野草など豊富な自然資源の宝庫でもあります。しかし、一部を除いてはその大部分が荒れております。今後は、この地域の宝を有効に活用してどのように生かすかが急務です。
北上市指定無形民俗文化財として、昭和3年11月1日「口内鬼剣舞」平成10年10月16日「行山流口内鹿踊」「口内薩奴踊」平成9年8月28日「岳流綾内神楽」平成12年3月17日「口内田植踊」の5団体の指定を受けました。
市内では最も多い民俗芸能団体(19)ですが大部分は後継者不足の状況にあり、後継者の確保が急務であります。
公的施設として保育園や小学校、公民館等がありますが、「子供と高齢者が交流できる一体となった施設」「町民が気軽に集まれる施設」が少ないので、バリアフリーの快適な施設が必要です。
新しい町民に、「昔からしている」「ここの習わし」として無理強いしている風も見受けれます。一方では、地域文化や良い風習・伝統もあるので世代間交流を通じてその伝承に努めます。また、純農村地帯であることを生かし、都市と山や川での遊びをとおした体験農林業、一坪農園での農作物づくりなど地域を超えた交流を推進します。
これからの町づくりは、「町民一人ひとりが主役」そして「町づくりは人づくり」というコンセプトに基づいて、高齢化対応として相互扶助による「町民一家族」の地域づくりを目指します。
「江刺金札米」の発祥の地として誇りをもち、栽培に工夫をこらし、安全でおいしい米生産団地の確立に努めます。
口内川流域に、大規模規格の圃場整備事業を導入し作業の効率化と土地の集積を図ります。一方、中山間地には、暗渠事業を取り入れ、他作目への誘導を進め「あぐり夢くちない」から全国へ農林産物の発信をし所得の向上を図ります。
盆地特有の寒暖の差を活かし、味の良い色上がりのきれいな果物や花卉の栽培を推進します。
インターネットを活用し肥沃な農地を全国に発信し、新規就農者、定年就農者を迎え入れ新たな息吹と英知を拝し活力ある営農を推進します。
昔あった産業「口内傘」「口内下駄」等を民芸品として口内の特産品化するため、後継者を育成し伝承に努めます。
また代表的農産物である “米” “りんご” に付加価値をつけた産品の開発を図ります。
農地や山林を市民農園・市民山林として解放し「家庭菜園」「私の田圃」「私の木」としてオーナー制を導入するなど都市住民との交流を推進します。
空家を有効活用することや、農泊等を受け入れ、口内のサポーターを増やし定住者の受け入れを推進します。
国道の峠や交差点の凍結防止、右折レーンや歩道の設置及び交差点の拡幅改良等に努めます。また、生活関連道路の整備を促進します。
その他
口内には浮牛城、阿古耶谷等の旧跡・名所があります。大堀の復活、道標及び案内図の作成・設置、自然歩道の整備を進めます。
山や溜め池の活用や、日本一の“星空の美しい町くちない”の実現運動を推進します。
下水道や合併浄化槽の普及、一斉清掃の拡大など、水生生物が棲める環境づくりに努め、“ホタル、メダカ、トンボの里”を目指します。
ゴミの徹底分別によりリサイクル運動で循環型社会を目指します。沿道への空き缶投げ捨てには看板設置により防止に努めます。また、山への不法投棄については、巡回パトロールにより防止に努めます。
「美しい里山整備推進事業」を導入し愛宕山を中心に散策路の整備、間伐材を利用した展望台、ターザンごっこ、木に名札や巣箱を取りつけるなど山を活かしていきます。併せて、炭焼き体験下刈り体験場所など都市交流を目指しグリーンツーリズムに取り組みます。
口内には、様々な分野にそれぞれに知識や技術を持った方々がたくさんおります。町民を教授とした自然体験や遊びの学校を展開し将来の総合的学習に対応します。
その他
老人ホーム、デイサービスセンター、グループホーム等の多機能を備えた福祉施設である、「浮牛の里」が平成26年に新設されました。顔なじみ・地域の方々と気兼ねなくのんびりゆっくりした時間を過ごすことができます。
救急医療や火災は、初期5分以内の処理が大事と言われております。
町民全員の「心肺蘇生法」の実習を進めるとともに消防分署の設置をはたらきかけます。
バス路線のない地域及び高齢者や交通弱者のために、NPO法人くちないによる「自家用車有償運送」が利用できます。また同法人では、町内から病院へ直行できる「福祉有償運送」も行っています。
一人暮らしや老人家庭へ訪問し、ゴミの分別・搬出なども支援するボランティア活動をすすめます。またふれあいディーサービスの充実に努めます。
健康や食生活に関する講座や教室を開催するとともに、市の健康診断や特定検診の100%受診をめざし、地域ぐるみで心身とも健康への関心を高めます。
町内100%の水洗トイレ化をめざし、家庭雑排水の放流を防ぎ、河川の清流化に努め水生生物にやさしい環境をつくります。
若い世代の定住と新しい人の受け入れ等を目指します。
学校との連携を強め、郷土の歴史、産業、芸能など町民の技能や知識を教育に活かします。
口内の文化伝統・風習や芸能を伝承する場及びスポーツなどを通した世代間交流・都市との交流のできる施設の建設に努めます。
ホタルやトンボが棲める環境づくりを通じて、山や小川などでの遊びにより自然を愛する優しい気持ちと強い心身を育てます。
町民一人一人が、スポーツに親しむ環境をつくるとともにスポーツサークルを育成し健康な身体づくりをすすめます。また、スポーツ少年団活動の推進として「きらめき講座」に取り組んでいきます。
各区一郷土芸能をすすめ、幼児からお年寄りまで郷土芸能の町として地域全体で保存・復活を支援します。
万蔵寺、浮牛城等史跡や「ヘビの目玉」「宝の馬っ子」「十石」等の言い伝えの地の整備や復元を進め、体験ルートを開発します。
国見山から松坂番所までの藩境道、西は奥羽の山なみ、東は種山ヶ原を眺望できる散策路の整備の推進を図ります。
ふれあいバス(地区内循環型バス)の活用により、地区公民館、自治公民館の開放を促進し、郷土史研究や趣味サークル等の活動を支援します。
良い話を聞く(教育講座)
その他